障害年金の社会的治癒に関するQ&A
Q障害年金の社会的治癒が認められるのはどのような場合ですか?
A
障害年金における「社会的治癒」とは、医学的には完全に治癒していなくても、一定期間、日常生活や労働に支障がない程度まで改善している場合に、傷病が治癒したものとみなす考え方のことをいいます。
社会的治癒が認められるためのはっきりした要件はありませんが、一般的には以下の点が必要となります。
①症状が安定し、長期間(おおむね5年程度)にわたり通常の就労または日常生活を行うことができていること
②通院や服薬(経過観察や予防的な治療を除く)を必要としない期間が継続していること
Q社会的治癒にはどのようなメリットがありますか?
A
社会的治癒が認められると、「初診日」を、症状が悪化してから最初に受診日に変更できます。
その結果、以下のようなメリットが生じ得ます。
①従来の初診日においては年金保険料の納付要件を充たさなかった場合でも、初診日が後ろ倒しになることで納付要件を確認する対象となる期間が変わり、受給資格を得られる可能性が生じます。
②従来の初診日に受診した医療機関が廃院していたり、カルテを保管していなかったりして初診日の証明ができない場合に、新しい初診日の時点では初診日の証明ができることにより、障害年金の申請できる可能性が生じます。
③従来の初診日においては国民年金に加入していたが、新しい初診日の時点では厚生年金に加入していたという場合、障害厚生年金の受給ができる可能性が生じます。
④従来の初診日を前提とした障害認定日時点では症状が軽い、または受診しておらず、遡って障害年金の受給ができない場合に、新しい初診日を前提とした障害認定日時点で等級が認定されれば、遡って障害年金を受給できる可能性が生じます。
Q社会的治癒が認められた例としてはどのようなものがありますか?
A
例えば、以下のようなケースがあります。
①統合失調症からの回復後、数年間フルタイムで就労をしていたが、その後症状が悪化したというケース。
②うつ病となり休職していたが、症状が回復してフルタイムで仕事に従事できるようになったものの、数年後に鬱の症状が悪化して就労不能となったというケース。
③がんを患っていたものの、治療に専念した結果、症状が寛解して治療が終了し、その後は定期的に経過観察のみを続け、仕事も再開し、日常生活にも問題がなかったが、数年後に腫瘍マーカーの数値が上昇したため精査したところ、がんの転移が見られ、再度治療をせざるを得なくなったというケース。
これらの事例に共通するのは、「一定期間、治療をほぼ必要とせず、通常の日常生活や社会生活を営んでいた」という事実です。
この期間の長さや社会的活動の内容は、社会的治癒の判断において極めて重要です。
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