肝がんで障害年金を請求する場合のポイント
1 肝がんの障害認定基準
肝がんで障害年金を請求する場合は、肝機能が低下して肝不全を起こしている場合には「肝疾患による障害」として、等級の認定がなされます。
肝疾患による障害の認定基準は以下のとおりです。
【1級】
身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が他の1級の障害と同程度以上と認められる状態であって、身の回りのことを行うのを不可能とさせる程度のものが該当します。
【2級】
身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が他の2級の障害と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものが該当します。
【3級】
身体の機能に、労働が制限を受けるか、または労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものが該当します。
2 肝がんによる障害の認定の特徴
肝疾患による障害の認定基準をより具体的に定めた認定要領では、「血清総ビリルビン(mg/dl)」「血清アルブミン(g/dl)(BCG法)」「血小板数(万/μl)」「プロトロンビン時間(PT)(%)」「腹水」「脳症」といった検査項目や臨床所見が挙げられており、これらの異常の程度と数に加え、日常生活や就労にどの程度の制限があるかから等級が認定されることになっています。
そして、特に肝がんの場合には、これらの検査項目や臨床所見における異常に加え、肝がんによる障害を考慮し、上記の肝疾患による障害の認定要領と、認定基準の中に別途定められている悪性新生物による障害の認定要領により、等級の認定が行われることになります。
一方で、これらの検査項目や臨床所見の異常がない場合は、悪性新生物による障害の認定要領にしたがって、認定がなされることになります。
3 肝がんで障害年金を請求する場合のポイント
肝疾患による障害の認定要領のとおり、検査項目や臨床所見における異常のほか、日常生活の状態や仕事への制限の程度も考慮して等級が認定されます。
そのため、主治医に、日常生活や仕事の状況を十分診断書に記載していただけるように、日ごろから、体調の変化や、日常生活がどの程度自分でできているか、他人の支援を受けていればその内容、仕事をしていた方はどのような業務ができなくなったか等について、具体的に伝えておくことが重要です。