難聴で障害年金を受け取れる場合

文責:所長 弁護士 岡田大

最終更新日:2025年05月07日

1 聴覚の障害に関する認定基準

 聴覚の障害については、認定基準上、以下のとおり定められています。

 

【第1級】

 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの

 

【第2級】

 ①両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの

 ②障害が国民年金法施行令別表に定める2級に該当するものと同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

 ⇒両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもののことをいいます。

 

【第3級】

 両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの

 ⇒以下のアまたはイのいずれかに該当するもののことをいいます。

 

ア 両耳の平均純音聴力レベル値が70デシベル以上のもの

イ 両耳の平均純音聴力レベル値が50デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの

 

【障害手当金】

 一耳の聴力が、耳殻(=外耳の一部で、頭部の両側に突き出している貝殻状の部分のことをいい、耳介とも呼ばれます。)に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの

 ⇒一耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上のものをいいます。

 ※「純音聴力レベル値」とは、純音(=ひとつの周波数で構成されている単純な音のこと)による聴力のレベル値のことをいいます。

 ※「語音明瞭度」とは、語音(=言語の音声)による聴力検査値のことをいいます。

2 聴力の測定方法

⑴ 純音聴力レベル値の測定方法

 純音聴力レベルは、オージオメータによって測定されます。

 ただし、聴覚の障害により障害年金を受給していない者に対して1級に該当する診断を行う場合には、オージオメータによる検査に加えて、聴性脳幹反応検査等の他覚的聴力検査又はそれに相当する検査を実施することとされています。

 

⑵ 語音明瞭度の測定方法

 最良語音明瞭度の算出は、録音器又はマイク付オージオメータにより、通常の会話の強さで発声し、オージオメータの音量を適当に強めたり、弱めたりして最も適した状態で行われます。

 検査に用いられる語は、「語音弁別能力測定用語音集」によるものとされ、2秒から3秒に1語の割合で発声し、語音明瞭度が検査されます。

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